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♯3. 神話を描くという壮大な活動

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片山 日本に魅せられ、画家の道に進み、古事記に惹かれ、日本の神話を描くことがマークさんのライフワークになっていったわけですね?

マーク氏 はい、すでに日本全国の神社に130枚の絵を奉納しました。

片山 130枚の絵というのはものすごい数ですね。 一枚の絵を仕上げるのにどれくらい時間がかかりますか?

マーク氏 私はいつも71年かかったと答えます。 実は私の年齢がいま71才なのです。 一枚の絵には私のすべてが込められています。 私が見たこと体験したこと感じたことのすべてが一枚の絵に宿っています。 だから71年かけて一枚の絵が完成しているのです。

片山 哲学的な答えですがよくわかります。

マーク氏 片山会長のビジネスにおいても、生きてこられた全人生が反映されていると思うのですが・・・。

片山 おっしゃるとおりです。 代々事業家の家に生まれた私の場合、祖父の教えがいまも根底にあります。 それは、経営者はしっかり利益を上げそれを社会に還元しなければならない。 しかし、利益を上げると敵が増える。 だから「徳」を積んでおくことが大切である・・・と。

マーク氏 すてきなおじいさまですね。 現在片山会長が取り組んでいらっしゃる様々な社会貢献活動のルーツはおじいさまだったのですね。

片山 実はねマークさん、私は大学時代ロックバンドを組んでいまして、在学中にプロデビューが決まり、大学を中退してプロになるかどうか悩んでました。

マーク氏 へぇー、それはすごい!

片山 しかし、私には家業を継ぐという使命がありました。 ずいぶんと悩みましたが、結局私は家業の方を選択しました。

マーク氏 ロックスターの片山会長も見たかった(笑)。

片山 家業を選択した矢先に父が倒れました。 そんな父を介護しながら一生懸命働き、事業が軌道に乗ってきたら今度は阪神・淡路大震災です。 身近で多くの犠牲者の方を目の当たりにし、私は生かされている自分というものを強く意識するようになりました。

マーク氏 片山会長にとっては、貴重で運命的な体験だったのですね。

片山 私は事業家ですから、自分が生かされていると感じた時、事業というものが、自分が生きていくうえで社会に対してどのような手段になるだろうかと考えました。

マーク氏 それでいろいろな社会貢献を始められたのですか?

片山 父の介護を通して様々な医療の問題点を見ました。 また、震災の後、行政の限界というものを知りました。 経済という視点で世の中を見れば、どの企業も利益のためには手段を選ばないという側面を持っています。 私は、身の程知らずと言われるかも知れませんが、自分が行っている事業は利益を得るための手段ではなく、世の中を良くするための手段にしたいと思うようになったのです。

マーク氏 すべての事業家が片山会長と同じ考えなら、日本はさらにすばらしい国になりますね。

片山 震災の時に生まれて初めて死を覚悟しましたからね。 生かされている自分を知ったら誰もがそういう気持ちになるんじゃないでしょうか。

マーク氏 私も、目には見えない力に生かされている自分をいつも感じています。 何かが私に神話を描かせていると・・・。

片山 神話は宗教以前の概念で、言い換えればそれは自然の摂理のようなものですよね?

マーク氏 そうです。 人が生まれ、人が死んでいく。そして喜怒哀楽・・・人が命を感じるすべてのものが神話の中に込められています。

片山 マークさんはきっと、日本の神話を通して人が生きることの意味を見ていらっしゃるのでしょうね。

マーク氏 はい、そうだと思います。

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